先進医療をめぐる声

画像診断技術による医療の質の向上について

土屋 泰昭 氏 日本ゼネラル・エレクトリック株式会社 代表取締役副社長

掲載:2006年7月

土屋 泰昭 氏

最近の画像診断技術の進歩と普及にはめざましいものがあり、多くの皆様方もCT、MRIなどの医療機器をご存知かと思います。私たちは、そういったCT、MRI、PET、X線、血管内超音波などの画像診断機器メーカー、造影剤注入装置など画像診断に関する機器メーカー、フィルムやコンピューターによる画像処理技術を担当する企業、放射線治療や結石破砕などの治療機器、血液成分採血システムのメーカーが参加していますが、今回は画像診断の役割について紹介します。

高度な画像診断技術が日本の患者さんを救う

画像診断技術は現在の日本の医療に大いに貢献しています。まず、高齢化に伴って増大する医療需要と、有限な人的および財政的資源のミスマッチの解消です。そのようなミスマッチを解消するためには、限られた資源の中で効率的かつ効果的な治療、つまり「適切な技術を用いた適確な診断」が必要です。

例えば日本でも最近増えている乳がんを例にとると、日本では触診による診断が主流でしたが、近年マンモグラフィーを使った検診が増え、ステージIやI Iといった初期の段階での乳がん発見率が高くなりました。マンモグラフィーという高度画像診断技術を利用することにより、より効率的かつ効果的医療を実現することができるのです。

また脳梗塞の場合には、高度なMRIやCTを活用することによって急性期の脳梗塞を的確に抽出することができます。そうすれば、より早い時期に壊死に陥っていない組織を選定し蘇生させることが可能になります。

高度なMRIやCTは心筋梗塞に対しても有効です。冠動脈病変や心筋虚血の適確な評価を可能にし、疾病診断や治療方針の決定に重要な役割を果たします。

このような高度な画像診断技術を使って効果的な治療を行うことにより、結果としてトータルの医療費が削減できる可能性もあります。私どもは高度な画像診断技術が疾病検出能力の向上に役立つと考えており、“Early Health,Late Disease”というコンセプトのもと活動しております。

さらに、言うまでもありませんが、医療技術の進歩は医療の質を向上させます。現在開発が進んでいる分子イメージングは人体への侵襲度合いがより少なく、患者さんの負担を軽くします。また複雑で難しい診断も可能にしていくものと思われます。

正当な診療報酬の評価が技術革新を促進する

今回の診療報酬改定では、高度な画像診断技術を評価する診療報酬が認められました。例えば、PET/CTへの加点、マンモグラフィーの単純撮影からの独立、MRI、CTの装置機能による区分設定です。このように高度な医療技術に対する評価が得られるようになれば、企業の技術革新はさらに促進され、患者さんも技術進歩のメリットを享受できることでしょう。

また、コンピューターによる画像処理加算も今回の診療報酬改定で認められました。これによってデジタル技術、通信技術の進歩によって、効率的な画像データの処理、遠隔診断などの技術が進んでいくものと考えます。

技術革新を通じて日本の医療の質向上に貢献するため、私たちは日々努力を続けていく所存です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。