先進医療を取り巻く課題

日本の医療機器、および体外診断用医薬品(IVD)にまつわる諸課題とその解決に向けた提言

次に掲げる5つの点は、米国医療機器・IVD工業会(AMDD)会員企業のみならず日本企業にとっても、大きな障害となっています。これらの課題は、日本の医療現場や患者さんのニーズにしっかりと応え、また、新成長戦略に基づく着実な経済成長を目指していくためにも、優先的に取り組み、解決されるべきだと考えます。

デバイスラグ
―新しい医療機器・IVDが、なかなか日本で使えるようにならない

デバイスラグとは、新しい医療機器及びIVDが、欧米諸国よりも大幅に遅れて日本に導入されることを言います。残念ながら現状では、新医療機器の国内市場への導入は、日米欧の中で最後となってしまう場合がほとんどであり、最近よく言われる「ドラッグラグ」と共に、医療現場で大きな問題となっています。しかも上市の遅れ自体は、近年ますます拡大する傾向にあり、現時点ではおおむね3ないし5年のラグが認められています。IVDも審査の遅れが多数発生しております。

アクションプログラムの一層の推進、進捗管理とその結果の公開はもちろんのこと、試験実施を含む審査基準の更なる明確化を行うことが必要だと考えています。

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デバイスギャップ
―そもそも新しい医療機器・IVDが日本に入ってこない

デバイスギャップとは、世界で使われている医療機器が、結果として日本に導入されない状況のことを言います。国内の市場規模が小さい医療機器、とりわけ稀少疾病用や小児用の機器については、有効性評価のレベルに配慮した審査(例:米国のHDE制度)なくしては、導入が困難です。

日本に医療状況に即した承認審査の実施と、加えて、保険償還制度の中でも、医療機器の革新性(イノベーション)を踏まえた適切な評価を行うことが求められています。

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外国参照価格(FAP)制度
―保険償還価格決定方法が日本国内市場の実態に合致せず、また将来予測が困難

再算定制度とは、1990年代に問題視されていた医療機器の内外価格差を縮小するため、米国等海外4カ国の価格と連動して日本の保険償還価格を改定するために導入された制度です。現在までに、既に内外価格差は大幅に縮小しているか、むしろ国内価格のほうが低くなっているケースも散見されるようになってきた一方で、近年では、国内のコスト構造とは無関係な為替の急激な変動の影響を受けて償還価格が大幅に引き下げられる等、同制度の弊害が表面化してきています。再算定制度がこのまま継続すれば、内外の企業にとって、経営の予見性が低い状況が続き、デバイスラグ及びデバイスギャップが今後一層悪化する恐れがあるばかりか、製品の安定供給にも悪影響を及ぼす危険性があります。

本制度はその役目を終えているので廃止が妥当であると考えます。

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イノベーションの適切な評価
―新しい医療技術に係る診療報酬上の評価が十分でなく、技術革新が促進されない

国内の医療機器産業を育成し、デバイスギャップの解消を図るためには、イノベーションを適切に評価し、保険償還価格に反映していくことが不可欠です。

その一方で、特定保険医療材料については、日本市場への導入コストや経営コストが諸外国よりも高い状況があるにもかかわらず、現状では、新製品の価格が海外価格より低く設定されている例も多くみられ、市場導入促進への大きな障害となっています。

また、画像診断機器等の大型医療機器については、「もの(特定保険医療材料)」自体の価格ではなく「技術(特掲診療料)」を構成する一部として保険償還されているという状況もあり、新規開発、改良、改善が保険償還価格に反映されにくいことから、開発意欲が促進されにくいという構造的問題が存在しています。

IVDにおいても問題は同様で、個別検査の臨床的価値やコストを反映した実施料となっていないため、臨床の現場では、性能の優れた新しい検査法への移行が遅々として進んでいません。機器の性能の向上に対応した検査の臨床的価値の向上とそのコストを定期的に評価し、これらを適切に反映した診療報酬体系としていくことが必要不可欠と考えます。

日本の医療の向上を促進し、医療機器・IVD産業全体の技術革新に資するため、イノベーションを診療報酬上の評価に適切に反映させていくことが必要です。

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医療安全問題と医療機器の保守点検
―医療機器の安全使用の推進が必ずしも十分ではない

重要な医療機器のメンテナンスは十分に行われていない状況です。

薬事法・医療法で定められている安全管理のコンプライアンス徹底(病院で行う日常点検の徹底及び定期点検等の遵守徹底)と、それに対する病院へのインセンティブ付与が必要と考えます。

また、予測可能な事故や損傷、ならびに予防可能な感染リスクの低減を目指し、患者さんや医療従事者の安全強化のための包括的ガイドラインや法令を整備することが必要と考えます。これは、医療の質の向上、回避可能な事故や損傷の軽減、医療費の効率化という3つの成果に繋がります。

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